底床とソイル



水槽の底に敷くものといえば一昔前ならば砂利しかありませんでした。
どのような色にしようか、粒の大きさはどの程度がいいか、
少ない選択肢の中であれやこれやと迷うのも楽しかったものです。

何をおすすめするかについては別のコーナーでの話になりますが、
とりあえずここでは最近の流れであるソイル信仰に物申しておきます。


底床とは何のために敷くのでしょうか?
まず、水槽の飾りとしての要素が大きいはずです、
平面で無機質なガラスやプラスチックの水底では味気ないものです。
また、水槽を彩る水草を植え込む為にもなくてはならないものでもあります。

つまり、水草を植える為の装飾品というのが
アクアリウム初心者から見た底床のポジションなのでしょう。



ここで「ソイル」と呼ばれる土を押し固めたものが登場します。
「水草の育成に適した形状」「水草育成に必要な養分を含有」「落ち着いた色」
更には「水草や魚の育成に適した水質に調整」
このような効果を掲げて販売されているわけですから
何も疑わずに飛びついてしまう人も少なくないのは当然の流れといえます。

水草を植える為の装飾品
これが底床の役割の全てならば何も問題ありませんが・・・



先に上げたソイルの使用上の効果は有限である事
これは賢明な人ならば容易に推測できると思います。
水草に必要な養分の供給も、水草や魚の育成に適した水質の調整も、
全て限りのあるもの、つまり時期がきたらただのゴミとなるものなのです。

何度も繰り返しになりますが、水草を植える為の装飾品
これが底床の役割の全てならば何も問題ありません。



ここでやっと本題に移ります。

飾りとしての目的で用いる底床は、実はただの飾りではないんです。
無機質でそのもの自体は何の力もない底床も、
じっくりと使い込む事によってその表面に様々な物質や微生物が付着します。
そうなって初めて底床が本来の目的である水質維持の一部を担えるようになります。
そして適切なメンテナンスを施す事によって底床の大事な役割を永く維持する、
それがアクアリウムの本来のスタイルなのです。

底床は変質しない不変なものを選び、適切なメンテナンスによって長期的、半永久的に維持する。
決して難しい事ではなく、当たり前の事なのです。


有限のソイルを使い、調子が崩れては交換を繰り返していては本質は何も見えてこないでしょう。



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